医療費の増加、少子高齢化社会が進行する中、国策として入院医療から在宅医療への移行を進めています。
そのため病院は2025年までに16~20万床を削減する計画です。
現在病院は8,236施設ありますが、徐々に減少していくと考えられています。
厚労省統計(2020年12月31日時点)によると、薬剤師の数は32万人(2018年より1万693人(3.4%)増加)、うち病院薬剤師は5万5,948 人です。
病院薬剤師に関しては微増で、病院内での薬剤師の貢献度の高さが評価されているといえます。
調剤や製剤、注射剤調剤、入院患者の服薬状況や副作用の有無を確認する従来の病棟薬剤業務のほか、地域包括ケアシステムの推進により、地域の介護施設や薬局など院外との連携も期待されています。
継続的な服薬指導を行うため、薬局薬剤師やケアマネジャーとの連携が重要になっていくでしょう。
また専門・認定薬剤師など高い専門性を持つ薬剤師も需要があります。
病院薬剤師として、どのようなキャリアを築いていくのかにより転職先の病院については、精査する必要があるでしょう。
病院薬剤師の基本業務は、調剤、製剤、注射剤調剤です。
今後はチーム医療としての薬剤師の専門性が問われるようになります。
病棟薬剤業務は引き続き重視されます。
それに加え、「薬剤師外来」、「救急救命(ICU)調剤」も注目されています。
そのほか、医薬品情報(DI)業務、外来化学療法室業務などがあります。
病院の種類 | 忙しさ | 業務内容 |
---|---|---|
高度急性期 | ○ | 急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて、診療密度が特に高い医療を提供する |
急性期 | ○ | 急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて、医療を提供する |
回復期 | △ |
急性期を経過した患者への在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを提供する |
慢性期 | △ |
長期に渡り療養が必要な患者を入院させる |
(出典:厚生労働省)
高度急性期、急性期などの病院は、残業、夜勤、当直が多くなります。
回復期、慢性期医療などの病院は、比較的ゆったりした働き方になります。
調剤薬局やドラッグストアから病院への転職は、かつてほどではないにせよ、就活時同様、若干難しくなっています。
しかし、薬剤師としてのスキルアップを望むのでしたら、最適の職場環境です。
専門・認定薬剤師を目指すならば、大規模病院、ゼネラリストを目指すなら中小規模病院への転職がおすすめです。