医薬品卸企業への転職

医薬品卸企業への転職

医薬品卸業界、企業への転職について、その概要、展望、業務、MS・管理薬剤師の働き方と転職についてまとめました。

医薬品卸企業への転職

医薬品卸業界は再編が進んでおり、M&Aによる買収・売却が活発に行われています。

 

日本医薬品卸売連合会の調べによると、1997年時点で277社あった本社数は2022年3月末時点で70社に、1996年時点で7万3,298人いた従業員数は、2021年6月末時点で、5万3,461人へと縮小しています。

 

現在は「メディパルホールディングス」、「アルフレッサホールディングス」、「スズケン」、「東邦ホールディングス」の4グループで市場の8割強を占有しています。

 

2020年から2021年の医薬品卸業界の業界規模(主要10社)は10兆2,053億円(※)です。

 

直近10年の推移でみるとほぼ横ばいです。

 

業界の展望

他業界と同じく少子高齢化と医療費の抑制に伴う薬価引き下げの影響を受けて、将来的な市場の縮小は避けられないと考えられています。

 

各社とも引き続きM&Aを活発化するとともに、ITの導入のよる物流システムの改善、MS・MRが取得したデータをAIで解析したりと生き残りをかけ、業務効率のアップを図っています。

 

ちなみに、2021年度の卸企業ランキング、9大グループの売上は以下の通りです。

順位 社名 本社所在地 総売上高
メディパルホールディングス 東京 32111.25億円
アルフレッサホールディングス 東京 26031.69億円
スズケン 愛知 21282.18億円
東邦ホールディングス 東京 12102.74億円
バイタル・エスケー・ホールディングス 東京 5370.30億円
フォレストホールディングス 大分 4585.54億円
大木ヘルスケアホールディングス 東京 2861.73億円
ほくやく・竹山ホールディングス 北海道 2394.94億円
フジモトHD 東京 2023億円

※ドラッグマガジン『医薬品産業ランキング2021年ポケット版』を参考に作成

医薬品卸企業の業務

製薬会社から医薬品を仕入れ、それを薬局やドラッグストアなどに販売し、情報提供を行うMS(マーケティング・スペシャリスト)と、医薬品の品質管理を行う管理薬剤師です。

 

MSは、病院や薬局、ドラッグストアを訪問し、医師や薬剤師のニーズを汲み取って、適切な医薬品や医療材料を滞りなく供給します。

 

したがって、幅広い商品知識が必要です。

 

また医薬品の納入価格の交渉も重要な役目の一つ。

 

そのほかにはインフルエンザなど季節性疾患の流行情報の提供、医療機関から医薬品服用後の効果、副作用についての情報収集も行います。

 

管理薬剤師は、倉庫に保管している商品の品質管理のほか、薬事関連法令の確認や各種届出、販売記録などの保管管理などが仕事があります。

 

また自社のMSや医師、薬剤師からの問い合わせに対して、研究論文やデータから情報提供するDI業務、医薬品の有効性・安全性を調査するPMS業務などがあります。

 

MS・管理薬剤師の働き方と転職

MS、管理薬剤師ともに各営業所での勤務が基本で転勤を痴担わない勤務が基本です。

 

ただ管理薬剤師は系列の調剤薬局へ出向する場合もありますので、転職する場合は確認しておいた方がよいでしょう。

 

平均年収(2021年3月期有価証券報告書参照)はメディパルHD:756万円、アルフレッサHD:690万円、スズケンHD:609万円、東邦HD588万円です。

 

管理薬剤師の希少求人になると年収800万円以上もあります。

 

MS・管理薬剤師の全体的な求人数に関しては、少ないため、マイナビ薬剤師やリクナビ薬剤師等薬剤師専門の転職サイトをうまく活用することが大切です。